共通テスト鼻マスク受験者の失格は妥当?
概要
- 事件の概要と様々な意見
- テストの厳しいルール
- 正しいマスクの着用法
- 所見
1.事件の概要と様々な意見
2021年1月16、17日に行われた大学入学共通テスト。ここで警察が出動するような出来事が起きてしまいました。
49歳の受験者が監督者から『鼻を出してマスクを着用している』と複数回注意を受けたが、注意を無視して不正行為となり失格処分に、さらにその処分を不服としてなんとトイレに立てこもった為に上述のような事になったようです。
様々な人が本件についてコメントをしています。『人が集まる場所で非常識だ』と思われている人、『試験を妨害したいだけの迷惑野郎だ』と思われている人も多いですが、その一方で『マスクごときで退場はやりすぎだ』という意見を出されている人もいらっしゃいます。
複数のネット記事や共通テストのルールを確認しながら、失格は妥当かどうか見ていきたいと思います。
2.テストの厳しいルール
大学入試センターが公開している受験上の注意という冊子(PDF)があるという事を知り、内容を確認してみましてた。
一読してかなり厳しいルールだと思いました。なんと英文字や地図がプリントされている服の着用が禁止、上履き持参の場合は『上履きを入れる袋』を持参、座布団やひざ掛けの使用は監督者の許可が必要等々、テスト会場の秩序とカンニング防止を徹底しているなというイメージです。
マスク着用についての記述は?
では、鼻だしマスクがルール違反となるのかが問題になると思います。
受験上の注意の中から、先ずマスクについて明記されているか確認してみると、10ページに「試験時間中に監督者が写真票と受験者の顔の確認を行います。マスクや帽子を着用している場合,本人確認のため,一時的に外すよう監督者が指示することがあります。」と記述がありますが、マスクの着用方法については見受けられませんでした。
どのルールに抵触した?
マスクの着用方法についての記述はありませんでしたが、8ページに「不正行為になる可能性があります」と記述されている項目を見つけました。
⇒ 試験場において他の受験者の迷惑となる行為をすること。
⇒ 試験場において監督者等の指示に従わないこと。
なるほど。恐らく監督者はこの2点を鑑み、退場を指示したのかと考えます。
- 鼻を出しているという正しくないマスクのつけ方をしている事により、他の受験者に迷惑をかけている。
- 複数回、監督者から注意をうけたにも関わらずそれに従わなかった。
3.マスクの正しい着用法
こちらをご覧ください。厚生労働省から発表されている啓発資料には、マスクの正しい着用方法が記載されています。
そこにしっかり『鼻と口を確実に覆う』『隙間が無いよう鼻まで覆う』と記述されています。
従ってマスクを正しく着用していなかった49歳受験生に注意、失格処分を下した監督者の判断は間違っていなかったという事になりますし、彼の行為は不正行為に該当するといえます。
4.所見
今回は49歳受験者に非があると考えます。恐らく彼と同じ部屋で試験を受けた受験者さんは非常に迷惑を受けたと思います。
おとなしく監督者の指示に従っておけば、周りの受験者さんにも迷惑になりませんが、何度も監督者から注意を受けているんです。周りの受験者さんからすると、気が散り妨害行為と感じた人もいらっしゃるのではないかと推測します。
そもそも、本当に試験を真面目に受けるつもりがあったのでしょうかね、この人。
ニュースの内容を見て思った事は、半世紀近くも生きて何やってんだ?です。